こんにちは。あいうえです。
今日も、ちょっと役立つお話をお届けします。
今回は、アンダードッグ効果のお話です。
もうすぐ夏の甲子園の地区予選が始まりますね。
皆さんは、甲子園を見ていて「なんとなく負けている高校を応援したくなる」と感じたことはありませんか? 特に、自分の県が出ていないときや、公立高校が強豪私立と戦っているときに、つい応援したくなる。 そんな経験、一度はあるのではないでしょうか。
実はこれ、心理学では「アンダードッグ効果」という名前がついています。
アンダードッグ効果とは?
アンダードッグ効果(underdog effect)とは、 競争や対立の場面で「不利な立場・劣勢にある側」に対して、応援したくなる・同情してしまうという心理現象です。
たとえば…
- スポーツで、小柄な選手や格下チームを応援してしまう
- 選挙で「劣勢」と報じられた候補者に票が集まる
- 営業がうまくいかない人を応援して、商品を買ってあげたくなる
このように、人は弱い立場の人に感情移入しやすい傾向があります。
「アンダードッグ」の意味と由来
「アンダードッグ(underdog)」はもともと闘犬の世界で「かませ犬」を指す言葉でした。 そこから転じて「勝ち目のない側」「劣勢の存在」を意味するようになりました。
日本語では、よく「判官びいき」という表現が使われますね。似たような心理状況を指します。
判官びいきとは? 平安時代末期〜鎌倉時代初期の武将・源義経(判官)が兄・頼朝に追われて悲劇的な最期を遂げたことに同情が集まり、「弱い者に味方したくなる心情」として広まりました。「判官びいき」という言葉は、室町時代末期から江戸時代初期にかけて成立したと考えられています。そんなに昔からあった言葉なんですね。
なぜ人は“弱い側”を応援したくなるのか?
アンダードッグ効果には、次のような心理的背景があります。
- 「頑張っているのに報われない」姿に心を打たれる
- 不公平な状況にある人に対する正義感や共感が働く
- 自分自身の過去の姿と重ね合わせてしまう
とくに、単に「不利」であるだけでなく、「懸命に努力している姿」が見えるときに強く働くのが特徴です。
恋愛におけるアンダードッグ効果
アンダードッグ効果は、恋愛の場面でもよく見られます。 **「健気に頑張る姿」「ふと見せる弱さ」**が、人の心を動かすのです。
恋愛でありがちなシーン
- 普段はしっかりしている相手が、自分にだけ弱さを見せたときにキュンとする
- 一生懸命アプローチしてくる人に、だんだん心を動かされる
- 想いを秘めながら努力を続ける片思いの姿に共感する
恋愛におけるアンダードッグ効果は、ギャップの魅力と健気さのバランスがカギです。 ただし、あまりに弱さを前面に出しすぎると「頼りない」「重たい」と思われてしまうリスクも。 “自然体”で努力している姿勢が、最も応援されやすいポイントです。
人間関係にも活きるアンダードッグ効果
職場や友人関係でも、アンダードッグ効果は頻繁に見られます。
- 仕事で成果が出ていないけれど、諦めずに頑張る同僚に手を貸したくなる
- 人見知りの人が、勇気を出して話しかけてきたときに好感を持つ
- 不器用だけど誠実に取り組む人に、自然と親近感がわく
このように、**「劣勢でも前向きに努力する姿」**は、人間関係の中で強い共感や信頼を生み出します。
ビジネスやマーケティングでの活用例
アンダードッグ効果は、マーケティングや広告の世界でも活用されています。
- 「資金も人も少ないけれど、品質で勝負しています」
- 「大手にはできない、手作りの温かみがあります」
- 「地方の小さな工場が、世界に挑戦しています」
こういった“弱者”の立場を打ち出すことで、共感や応援の感情を引き出しやすくなるのです。
アンダードッグ効果の注意点と限界
アンダードッグ効果は強力ですが、過度に使うと逆効果になります。
主なリスク
- 信頼や評価の低下:「いつも頼りない」「成長しない人」と思われる
- 不誠実な印象を与える:本当は弱くないのに“演じている”と見抜かれる
- 努力が見えないと逆効果:ただ弱さを見せるだけでは共感されにくい
- 長期的な関係には不向き:一時的な応援は得られても、継続的な信頼にはつながらない
- 本当に支援が必要な人の機会を奪う:過剰なアピールは不誠実な印象を残す
まとめ|応援される“弱さ”とは?
アンダードッグ効果は、人の心にある「共感したい」「応援したい」という気持ちに働きかける心理現象です。 恋愛・人間関係・ビジネス・スポーツなど、私たちの身近なところでよく見られます。
ただし大切なのは、「弱さ」と「努力」がセットになっていること。
応援されるポイント
- 頑張っている姿が伝わること
- 弱さを出すときは自然体で
- 共感を得るには誠実な態度を忘れないこと
弱くても、必死で頑張る姿は人の心を動かします。 アンダードッグ効果をうまく活かして、信頼される関係や魅力的な印象を育てていきましょう。

けっきょく、ひっしでがんばってるからおうえんしたくなるんだよね
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