書評|感情で売る?『あなたの会社が90日で儲かる!』に学ぶマーケティングの本質

マーケティング

こんにちは。あいうえです。

今日も、ちょっと役立つお話をお届けします。

今回はあなたの会社が90日で儲かる!」(神田昌典 著)という本についてのお話です。


はじめに|なぜこの本を手に取ったのか?

ふだんの仕事ではあまり関わりのないテーマの本を、たまには読んでみよう。 そんな気分で本を探していたとき、ふと「マーケティングって、おもしろそうかも」と感じたのが、この本を手に取ったきっかけでした。

広告や販売の知識はほとんどないものの、

「人はどんな気持ちでモノを買うんだろう?」「広告って、ほんとうに効果があるのかな?」

そんな疑問が頭をよぎることが、これまでも何度かありました。

SNSの影響力が強まる今、モノを売る手段は変化しています。 でも、「売る人・買う人」つまり人間の感情や行動の本質は、そう簡単に変わるものではないはず。 そう思い、「昔から売れ続けているマーケティング本」を読んでみようと検索したときに出会ったのが、 この一冊

『あなたの会社が90日で儲かる!』でした。

しばあいうえ
しばあいうえ

そんなにすぐにおかねもうけができるのかな?


本書のキーワードは、「感情」=「エモーショナル」

本書では、「人は感情で動く」という前提が繰り返し強調されています。 ただ商品の良さを伝えるだけでは足りず、「相手の気持ちにどう響くか」という視点を設計することが重要だと説かれています。

たとえば著者は、感情に働きかけることによって相手の反応が大きく変わるという点を強調しています。

また、購入するかどうかを決める理由は売り手が決めるものではなく、あくまで買い手自身が見出すものだという視点も紹介されています。

つまり本書が提唱する「エモーショナル・マーケティング」は、

売り込むのではなく、相手が“欲しい”と感じるまでの心理プロセスを丁寧に設計すること

この構造を意識した文章設計こそが、購入につながる“仕掛け”になる―― そんな本質を教えてくれる一節です。


印象に残った3つのポイント

① 「価値」には2種類ある

本書では、価値を次の2つに分類しています。

  • 絶対的価値:お金や労力に見合う実利的な価値
  • 相対的価値:他よりも優れているように感じる主観的価値

モノを売るとき、多くの人が「絶対的価値」で勝負しようとしますが、 実際に人を動かすのは、**「相対的な価値=感情的な魅力」**であることが多いと気づかされました。


② 人は「売られる」と買いたくなくなる

「人は、売り込まれると欲しくなくなる」――これは実感のある話です。 お店で強く勧められると、かえって気持ちが引いてしまう。 一方で、静かに置いてある商品に、ふと心惹かれることもあります。

このような「感情の微細な動き」を読み取りながら、 いかに“買いたくなる状況”を用意するかが重要だと本書は教えてくれます。


③ 購入までの心理的ハードルを下げる

「買う」という行動には、いくつかの心理的ハードルがあります。 たとえば「損したくない」「失敗したくない」「自分に合うか不安」といった気持ちです。

本書では、そうしたハードルを段階的に下げていく方法が紹介されており、 具体的には以下のような施策が挙げられています:

  • まずはチラシや試供品で反応を上げる
  • 小さな成功体験をつくる
  • オファーの内容に「安心」を盛り込む(返金保証など)

これにより、心理的な抵抗感を少しずつ取り除いていく設計が可能になるのです。


読んで感じたこと|マーケティングは“売る技術”ではない?

本書を読み終えて感じたのは、 マーケティングとは単に「売る技術」ではなく、「相手の感情に寄り添う技術」なのだということ。

人は理屈では動かず、まず感情で動き、その後に理屈で正当化します。 この「順序」を知っているかどうかで、伝え方も大きく変わってくる―― それはブログでも、プレゼンでも、日常の会話でも共通するポイントかもしれません。


もしかすると、向かないかもしれない人

読む人によっては、著者の語り口にやや勢いを感じるかもしれません。初版が1999年ということもあり、時代背景による言い回しの古さや勢いの強さを感じる場面もあります。


まとめ|感情の理解が、売上のカギ

本書が繰り返し伝えているのは、 「売る側がどう伝えたいか」ではなく、 「お客さんの気持ちをどう動かすか」を深く考えることの重要性です。

ただ機能や価格を並べても、人は動きません。 心を動かすのは、“共感”や“納得”、そして“安心”といった感情です。

本書では、エモーショナル・マーケティングは「お客さんの心の動きに沿って、自然に行動へとつなげる設計」であるとされており、売り込みではなく、気持ちの流れをガイドするような工夫が重要だとされています。

つまり、マーケティングとは、一方通行の「売り込み」ではなく、 お客さんの“気持ちの流れ”に寄り添い、自然と背中を押すような設計なのです。

感情の流れを読み、そっと手渡す。 その姿勢が、信頼を生み、結果として売上にもつながっていく―― そんなマーケティングの本質に気づかせてくれる一冊でした。


おすすめポイント

  • 「売り込みが苦手な人」にこそ読んでほしい
  • SNS・ブログ運営・副業の導線設計にも応用できる
  • 「人の心を動かすとは何か?」を学びたい方に最適

※本文中の一部に書籍内容を引用しています。著作権は著者および出版社に帰属します

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