大人でも、ぜんぜん遅くない!アート思考の身につけ方を学ぼう|『13歳からのアート思考』書評

澄み切った青空と山々の風景 書評

こんにちは。あいうえです。

今日も、ちょっと役立つお話をお届けします。

今回は『13歳からのアート思考』(末永幸歩 著)という本についてのお話です。

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はじめに

先日読んだ『世界の一流は「休日」に何をしているのか』(越川慎司 著)の中に、「アートに触れること」の重要性が語られていました。美術鑑賞は、リベラルアーツの土台であり、感性や教養を深める手段のひとつとされています。

とはいえ、「アート」と聞くと、なんとなく難しいイメージを持ってしまう方も多いかもしれません。私自身も、「絵画や彫刻を楽しむには、それなりの知識や教養がないとダメなのでは?」と感じていました。

そんな中で出会ったのが、『13歳からのアート思考』(末永幸歩 著)という一冊です。この本では、「アート思考」という考え方の大切さが語られています。

アート思考とは、

「自分の内側にある興味をもとに、自分のものの見方で世界をとらえ、自分なりの探求をし続けること」。

これは、ただ美術作品を鑑賞するだけではなく、「自分自身がどう感じたか」「どこに価値を見出すか」といった、主体的な思考を育てるアプローチです。

情報があふれ、多様な価値観が交差する現代において、「自分なりの問い」を持ち、それを探求し続ける姿勢は、ますます重要になってきていると感じます。

アート思考は、決して芸術家だけのものではなく、誰にとっても役立つ“生きる力”のひとつなのかもしれません。

アート思考はどうすれば身につく?

絵筆や色鉛筆が並ぶカラフルなアートツール

では、どうすれば「アート思考」は身につくのでしょうか? 『13歳からのアート思考』では、そのきっかけとして「アウトプット鑑賞」や「作品のやりとり」が紹介されています。

アウトプット鑑賞

アウトプット鑑賞とは、作品を見て自分が気づいたことや感じたことを、自由に言葉にしてみるという方法です。 たとえば、「色が分けられている気がする」「意外と使われている色が少ない」など、自分なりの視点で作品を観察し、気づいたことを表現(アウトプット)していきます。

アウトプット鑑賞では、正解を探すのではなく、自分がどう感じたかを大切にします。

作品を見て「なんとなくこう思った」という感覚を、まずは素直に言葉にしてみる――それがアート思考の第一歩です。

作品のやりとり

もうひとつの「作品のやりとり」は、作者の意図や解説に頼らず、作品そのものから自分の感覚で何かを受け取ることを指します。

「どんなふうに感じたか?」「どんなふうにみえるか」と問いかけてみる。

そうして得た印象が、自分なりの向き合い方になります。

作品を前にしたとき、感じたことを大切にすること。 それが、アートを楽しむ第一歩であり、自分の思考を深めていくきっかけになるのだと思います。

アートを楽しむのに知識は必要?

本書では、「アートを楽しむには知識が必要なのでは?」という疑問にも、明確な視点が示されています。 著者は、「アート思考」の本質は、作品をたくさん見たり、背景知識を得たりして“教養”を身につけること「ではない」と述べています。 もちろん、知識が無意味というわけではありませんが、それ自体が目的ではなく、「自分なりに考え、感じること」が出発点なのだと感じました。

20世紀のアート作品が授業に 理解を助けます

また本書は、「授業」のような形式で進んでいきます(本文中では“クラス”と呼ばれています)。 各章で紹介されるのは、20世紀を代表するアート作品の数々。 それらを題材に、アート思考に必要な視点や考え方が丁寧に語られていきます。

読み進めるうちに、アートに対する見方が少しずつ変わっていく――そんな感覚も、この本の魅力のひとつだと感じました。

まとめ

バラバラのジクソーパズル

本書は「アート思考」と題されていますが、その内容はアートに限らず、さまざまな分野で活かせる考え方が紹介されています。 自分なりの見方を持ち、自分なりに探求していく姿勢は、どの時代でも大切ですが、特に変化の激しい現代においては、一層重要になっているように思います。

「アートの本」として読むよりも、「思考のトレーニングの本」として捉えるほうが、本質に近いかもしれません。 タイトルには「13歳からの」とありますが、大人だからこそ、読んでみる価値のある一冊です。

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