クリティカル・シンキングとは?【第1回】

〜“ほんとにそう?”と立ち止まる思考の技術〜


はじめに:考えるって、どうやるの?

「もっと深く考えたい」「ちゃんと判断できるようになりたい」
そう思っているのに、結局、時間だけが過ぎてしまった…
そんな経験、ありませんか?

もしかしたらそれ、“考え方のクセ”が原因かもしれません。
ただ闇雲に考えるのではなく、「どうやって考えるか?」という“思考の型”を知ることで、思考の質はぐっと上がります。

今回ご紹介するのは、クリティカル・シンキング(Critical Thinking)
さまざまな場面で使える、“問い直す力”です。


クリティカル・シンキングって何?

クリティカル・シンキングは、日本語で「批判的思考」と訳されます。
ただ、「批判」という言葉にネガティブな印象を持つ人もいるかもしれません。

でもここでの“批判”は、相手を否定したりケチをつけたりすることではありません。
「いったん立ち止まって、冷静に見直す姿勢」のことです。

たとえばこんな考え方がクリティカル・シンキングです。

── 「これは本当に正しいの?」「裏付けはある?」

── 「前もそうだったから今回も同じ」と決めつけていない?

── 「他にやり方は?」「もし別の立場だったら?」

こうした問いを重ねることで…

  • 見落としていた情報に気づく
  • 感情に流されず、冷静に判断できる
  • “なんとなくの結論”に流されずにすむ

といった思考の質の向上が期待できます。


クリティカル・シンキングは、専門家や論理のプロだけのものではありません。
むしろ、私たちの日常でこそ役立つ場面がたくさんあります。


「これって一部の意見かも?」「引用されたデータは本物?」と立ち止まることで、情報に振り回されにくくなります。


「本当にこの提案でいいのか?」と自分で問い直すことで、自信と納得感のある発言ができるようになります。


「どこまでが事実で、どこからが“誰かの感想や主張”なのか」を整理すると、判断がしやすくなります。


自分の立場だけでなく、「相手の考え方の前提」にも目を向けることで、より建設的な議論が生まれます。


「この買い物って本当に必要?」「この選択、誰かの影響を受けてない?」と考えるクセが、後悔しない選択につながります。


つまり、「迷ったとき」「なんとなく不安を感じたとき」こそ、クリティカル・シンキングの出番なんです。


実践のカギは「問いかけ」

思考を深めるには、“問い”が欠かせません。
たとえばこんなふうに問いかけてみましょう:

  • 「この結論って、どうやって出したんだろう?」
  • 「他にもっといい選択肢はない?」
  • 「この情報、いつ・誰が言ったもの?」
  • 「逆の立場だったら、どう感じる?」

たとえばSNSで「すごいバズってる!」という投稿を見たときでも、「ほんとに?」「どんなデータが根拠?」と、ワンクッション置くだけで冷静な判断ができるようになります。

しばあいうえ
しばあいうえ

疑ってかかるってことじゃないんだね


クリティカル・シンキングとは、「疑う」のではなく、「問い直す」こと。
「ほんとにそうかな?」と、ちょっとだけ立ち止まって考えてみる。
その小さな習慣が、あなたの判断やアイデアに深みをもたらします。

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