〜“ほんとにそう?”と立ち止まる思考の技術〜
はじめに:考えるって、どうやるの?
「もっと深く考えたい」「ちゃんと判断できるようになりたい」
そう思っているのに、結局、時間だけが過ぎてしまった…
そんな経験、ありませんか?
もしかしたらそれ、“考え方のクセ”が原因かもしれません。
ただ闇雲に考えるのではなく、「どうやって考えるか?」という“思考の型”を知ることで、思考の質はぐっと上がります。
今回ご紹介するのは、クリティカル・シンキング(Critical Thinking)。
さまざまな場面で使える、“問い直す力”です。
クリティカル・シンキングって何?
クリティカル・シンキングは、日本語で「批判的思考」と訳されます。
ただ、「批判」という言葉にネガティブな印象を持つ人もいるかもしれません。
でもここでの“批判”は、相手を否定したりケチをつけたりすることではありません。
「いったん立ち止まって、冷静に見直す姿勢」のことです。
たとえばこんな考え方がクリティカル・シンキングです。
情報をそのまま信じず、一歩引いて考えてみる
── 「これは本当に正しいの?」「裏付けはある?」
自分の思い込みに気づき、ちょっと立ち止まる
── 「前もそうだったから今回も同じ」と決めつけていない?
他の視点や可能性にも目を向ける
── 「他にやり方は?」「もし別の立場だったら?」
こうした問いを重ねることで…
- 見落としていた情報に気づく
- 感情に流されず、冷静に判断できる
- “なんとなくの結論”に流されずにすむ
といった思考の質の向上が期待できます。
どんなときに役立つの?
クリティカル・シンキングは、専門家や論理のプロだけのものではありません。
むしろ、私たちの日常でこそ役立つ場面がたくさんあります。
SNSの話に「ほんとかな?」と思ったとき
「これって一部の意見かも?」「引用されたデータは本物?」と立ち止まることで、情報に振り回されにくくなります。
プレゼンや会議で説得力ある意見を出したいとき
「本当にこの提案でいいのか?」と自分で問い直すことで、自信と納得感のある発言ができるようになります。
情報が多すぎて、どう判断すればいいか迷ったとき
「どこまでが事実で、どこからが“誰かの感想や主張”なのか」を整理すると、判断がしやすくなります。
チームで意見が割れているとき
自分の立場だけでなく、「相手の考え方の前提」にも目を向けることで、より建設的な議論が生まれます。
日常のちょっとした違和感を考えたいとき
「この買い物って本当に必要?」「この選択、誰かの影響を受けてない?」と考えるクセが、後悔しない選択につながります。
つまり、「迷ったとき」「なんとなく不安を感じたとき」こそ、クリティカル・シンキングの出番なんです。
実践のカギは「問いかけ」
思考を深めるには、“問い”が欠かせません。
たとえばこんなふうに問いかけてみましょう:
- 「この結論って、どうやって出したんだろう?」
- 「他にもっといい選択肢はない?」
- 「この情報、いつ・誰が言ったもの?」
- 「逆の立場だったら、どう感じる?」
たとえばSNSで「すごいバズってる!」という投稿を見たときでも、「ほんとに?」「どんなデータが根拠?」と、ワンクッション置くだけで冷静な判断ができるようになります。

疑ってかかるってことじゃないんだね
まとめ:「問い直す習慣」が思考を変える
クリティカル・シンキングとは、「疑う」のではなく、「問い直す」こと。
「ほんとにそうかな?」と、ちょっとだけ立ち止まって考えてみる。
その小さな習慣が、あなたの判断やアイデアに深みをもたらします。
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