こんにちは。あいうえです。
今日も、ちょっと役立つお話をお届けします。
今回は「コンサル時代に教わった 仕事ができる人の当たり前」(西原亮著)という本についてのお話です。
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はじめに|「当たり前のことを、当たり前にやる」ことの難しさ
本書の冒頭に書かれている言葉――
「当たり前のことを、当たり前のように、やる。」
実はこれは、私自身が社会人になって最初の職場で、社長に言われた言葉と全く同じでした。
そのときは「そんなの当然だ」と思っていました。
けれど、職場や業務が変わるたびに、それを“当たり前”として続けることの難しさを何度も痛感しました。そんな経験があったからこそ、本書を手に取ったとき、「これはきっと良い本だ」と直感的に思ったのです。
著者は元コンサルタント。コンサル会社に勤めていた時代に、上司から教えられた“働き方”が、随所に盛り込まれています。 そしてそれだけでなく、自身が試行錯誤しながら実践してきた仕事術も含め、まさに「働く上での本質」が凝縮された1冊です。
「考え方」の当たり前

本書で紹介されている「仕事ができる人の当たり前」は、どれもシンプルです。 けれど、それを「当たり前」に実践するのは、意外と難しい。 ここでは印象に残ったポイントをいくつか紹介します。
1. 「わかったふり」をしない
仕事では、ときに「わかったふり」をしてしまいがちです。 とくに忙しい場面や、聞き返しづらい雰囲気の中では、その誘惑は強くなります。
でも、そこでわかったふりをしてしまうと、 あとで誤解や手戻りが発生し、かえって迷惑をかけてしまうことも。
「わかったふりをせず、確認する勇気を持つ」 ――この姿勢こそが、信頼を築く第一歩になります。
2. 「事実」と「主観」を切り離す
物事を判断するとき、「主観」が混ざると認識がゆがみます。 だからこそ、事実と感情・意見を明確に切り分けることが重要です。
2.1 論理的に考え、客観的な根拠を求める
意見を述べるときは、論理と根拠をセットにする。 それが「仕事の説得力」を生み出します。
2.2 「Word to word」で伝える
お客様の言葉を上司や他部署に伝えるとき、意訳や要約をしてはいけない。 一言一句変えずに伝える(=“Word to word”で伝える)のが基本。
情報のねじれや思い違いを防ぐ、現場での鉄則です。
3. 「不要なもの」を削ぎ落とす
時間も労力も限られているからこそ、「やらなくていいこと」はどんどん省くべきです。 著者はこう問いかけます:
「どうすればサボりながら、成果を最大化できるか?」
効率化とは、手抜きではなく「ムダを削る技術」。 そこにこそ、“できる人”の本質があります。
4. シングルタスクに切り分ける
一見複雑に見える仕事も、「ひとつずつ」に分解すれば進めやすくなります。 同時並行であれもこれも抱え込まず、今やるべき一つに集中する。
これは、実はとてもパワフルな習慣です。 集中力が上がり、結果としてスピードも精度も向上します。
会議とインプットに学ぶ、仕事ができる人の「当たり前」
本書には多くの実践的なアドバイスが詰まっていますが、中でも特に参考になったのが、 『「会議」の当たり前』と『「インプット」の当たり前』についての章です。
1. 会議の当たり前|“なんとなく会議”を終わらせない

会議において大事なのは「決めること」です。 著者はこう言います:
「会議とは、行動を決めるためにやるものである」
その視点に立つと、会議の設計も進行も大きく変わります。
1.1 会議には「終わりの定義」が必要
- この会議は何が決まったら終了なのか?を最初に明言する
- ゴールが不明確な会議は、時間も集中力も浪費してしまう
1.2 ファシリテーターの役割
ファシリテーターとは、会議を中立の立場で整理・前進させる人。単なる司会ではなく、「議論を翻訳し、方向づける責任者」です。
ファシリテーターの4つの役割:
- 会議の目的がズレないように管理する
- 参加者がフラットに議論できる場をつくる ※ここで重要なのは、ファシリテーターが迎合しないこと。 「忌憚なく言ってほしい」という言葉は、実は最悪の促し方。
- 抽象的な発言を具体化し、翻訳者として機能する
- ネクストアクションを明確にする (「誰が、何を、いつまでに」を具体的に)
2. インプットの当たり前|「読んだつもり」を超える技術

ただ読むだけでは、インプットにはなりません。本書では、実践につながるインプット術が紹介されています。
2.1 読書は“読み切ること”が目的ではない
- 一文でも仕事に活かせれば、その本は“読んだ”ことになる
- 惰性で最後まで読むのは時間の無駄
- 読書は“自己満足”ではなく“道具”であるべき
2.2 「仮説で読む」というテクニック
読み方も、ただ読むのではなく、「仮説→検証」型が効果的。
- 目次だけを見る(本文はまだ見ない)
- 目次の各項目について、「ここには何が書かれていそうか?」と自分で仮説を立てる
- 実際に本文を読んで、仮説と照らし合わせて検証する
この「答え合わせ読書」は、著者がコンサル時代に上司から学んだ方法だそうです。
2.3 スライド3枚で要約できなければ、インプットとは言えない
読んだ内容を、以下の3点に絞ってスライド3枚にまとめる習慣を推奨:
- 書籍の要旨(何について書かれているか)
- 印象的な具体例
- 自分の学び(どこに活かせそうか)
アウトプット前提で読むことで、インプットの質が格段に上がります。
2.4 1時間語れるまで調べる
本当に理解するとは、「人に説明できる」こと。 著者は、1時間語れるようになるまで調べることを推奨しています。 この深さを持つことで、仕事の時間を結果的に最小化できるのです。
就活前・社会人デビュー前に読んでおきたい

本書は、これから社会に出る人にとって非常に有益な内容が詰まっています。
- これから就職する学生や若手社会人
- 就職活動を控えた大学生・高校生
特に「働くとはどういうことか?」「社会人として当たり前に求められる振る舞いとは?」をまだ体感していない人にとって、「事前に知っておける」という点で価値が高いです。
また、本書は1項目ごとに短く区切られており、短時間でも区切りよく読める構成になっています。忙しい中でも、スキマ時間で少しずつ読み進められるのも魅力です。
読みやすく、地に足のついた一冊

本書は全体的に読みやすく、筆者の実体験と具体的なアドバイスが豊富に盛り込まれています。
- 「考え方」や「コミュニケーション」など、テーマごとに章立てされていて、内容が整理されている
- 実際の職場経験に基づくリアルなアドバイスが多く、説得力がある
印象的だったのは、著者自身もおそらく“仕事ができる人”なのだと思いますが、 それ以上に、著者が勤めていたコンサル会社の上司の有能さが強く伝わってくることでした。 まさに、「良い教えを、きちんと実践してきた人」が書いた本だと感じました。
あとで知ったのですが、著者はSNSでも発信力のあるインフルエンサーとして知られているようです。 そうした背景があるからこそ、読者目線のわかりやすさや構成への配慮にもつながっているのかもしれません。
気になった点も少しだけ
読みやすく、有益な一冊であることは間違いありませんが、細かいところで気になる表現がいくつかありました。
(とはいえ、内容の価値を損なうようなものではありません。)
- 本書では「〜を握る」という表現が何度か登場します。 「合意を得る」「共通認識を持つ」といった意味で使われていますが、 コンサルやIT業界では比較的よく使われる言い回しのようです。 業界によってはあまり馴染みがなく、少し戸惑う読者もいるかもしれません。
- 「加藤部長」「佐藤課長」といった名前付きの架空の人物が突然登場する箇所もありました。 他の章では「Aさん」といった記号的な表現が用いられていたため、 統一されているとよりスムーズに読めたかもしれません。
総じて:はじめて働く人にこそ手に取ってほしい一冊
全体として実用的かつ堅実で、学びの多い内容です。
特に、これから社会に出る学生や若手社会人にとって、 「働くとはどういうことか」「どう振る舞えば信頼されるのか」といった、 仕事の“基本姿勢”を事前に学べる点が非常に心強い一冊です。
“社会人の基礎教養書”として、安心しておすすめできる内容だと感じました。
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